マルチチャンネルアンプ機器の中で、私が気になる製品を紹介します。
ハイエンドのアンプを考える場合、セパレートか否かが第一の検討事項となります。
操作性や手軽さを考えると一体型のプリメインアンプが有利ですが、画質や音質を考えるとセパレートが有利です。
プリアンプとパワーアンプでは、扱っている信号の強さ(電圧や電流の強さ)が違うので、一体型とすると信号が干渉しやすくなるのです。
とくにパワーが大きくなると、その影響も大きくなってしまいます。
そこで、ハイエンドを考える場合にはセパレートアンプを選ぶことになります。
プリアンプ選びのポイントは、映像面ではHDMI端子がVer1.3aであることです。
映像回路は日進月歩なので、アップスケーリング機能等は使っている間に古くなってしまう可能性があります。
接続端子がすぐに古くなってしまうようでは、安心して長期間使えませんが、ハイビジョン画質を十二分にカバーしているHDMI端子のVer1.3aであれば、当分の間は最新であると考えられます。
音声については、最新のサラウンド形式に対応している必要があります。
7.1chのドルビーTrueHDやDTS-HDやMasterAudioに対応していないと、BDソフトの再生時に不満が生じる可能性があるのです。
パワーアンプには、アナログアンプであることが大切です。
デジタルアンプは効率が高い反面、デジタル歪みの抑え込みが難しいのです。
またスピーカーを駆動するには、デジタルアンプよりアナログアンプの方が有利な点が多いからです。
そこで選んだ機器は デノンのAVP−A1HD POA−A1HD です。
オーディオ部分については定評のあるメーカーで、さらにビデオ関係も充実しているのが大きなポイントです。
HDMI端子はVer1.3aでD5端子も装備した上でビデオアップスケーリング機能搭載、ドルビーTrueHDやDTS-HD MasterAudioなど最新の音声フォーマットに対応しています。
デジタル処理も定評がある回路をさらに改善して搭載、ハイエンドアンプに恥じない内容となっています。
オーディオ部分の作りはプリメインアンプとは一線を画した しっかりした作りで信頼出来ます。
パワーアンプ部分についても、BTL接続を利用することで有効な使い方が選択できる点も特徴です。
プリ部とパワー部が別々なので、使い方やアップグレードなどの自由度が高い点も評価できるポイントといえます。
デノン AVP−A1HD | |
特徴
最適のデバイスが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、専用の回路構成で組み上げる、D.D.S.C.(Dynamic Discrete Surround Circit)を、次世代HD(High Density:高密度)をふまえたD.D.S.C.-HDとして新たなステージを築きます。
デコーダー部には、最新型の高性能DSPを3基搭載。
Advanced AL24 Processingを全チャンネルに搭載。 ロスレス圧縮音声フォーマットのDolby TrueHDやDTS-HD Master Audio、その他Dolby Digital PlusやDTS-HD High Resolution Audioなど最新のデジタル音声フォーマットに対応したデコーダーを搭載。
スピーカーのドライブ能力を安易にパワーアンプに求めるのではなく前段のプリ部で理想的なドライブ能力を持った出力を構成できるよう、パワーアンプ並みの独立電源を備えたプリ部を装備しています。
入力段直後のバッファアンプは高品位のディスクリート構成アンプを全チャンネルに採用。
可変ゲインボリウムを全チャンネルに採用、出力レベルに応じてプリアンプのゲインを可変することにより、実使用領域でのS/Nを大幅に改善。
振動の発生源となるパワートランスの取り付けは高剛性のボトムシャーシにしっかりと固定。 DENON LINKは、高速伝送素子を用いてバランス伝送を行なうことで、信号劣化の少ない高速・高品位なリアルタイムデジタル伝送を可能にするジッターレス・デジタル・インターフェースで、PCM192kHz/24bitのデジタル入力信号や、DVD-AudioやスーパーオーディオCDなどの高速・高音質ソースのマルチチャンネル信号も直接DVDプレーヤーからデジタル入力することができます。 純粋に音楽を徹底した高音質で楽しむことが可能なピュアダイレクトモードを搭載しています。ピュアダイレクトモードを選択すると、FL管を消灯し、選択時点で未使用となっている回路を自動的に遮断します。
AAC 5.1をはじめ、DTS ESやDOLBY DIGITAL EXなどの信号処理に、THXプロセッシング処理を行なうことができます。
HDMI(Ver.1.3a、Deep Color、High Bit-rate Audio出力対応)、1080p映像信号の入出力に対応した最新のインターフェイスを装備。
9chのサラウンドと3組のサブウーハー、そしてZONE2、3に各々ステレオ出力と、合計16chのプリアウト端子を装備。 |
デノン POA−A1HD | |
特徴
合計10チャンネル搭載した全チャンネル同一クオリティのパワーアンプは、実用最大出力で300W/ch(4Ω)のハイパワーを実現。
背面パネルの設定スイッチを切替えて1chの入力に対して2ch分のユニットを活用してブリッジ接続(BTL)やバイアンプ接続ができます。
ミニマムシグナルパスサーキットは、信号経路のシンプル&ストレート化を徹底。
AVP-A1HDとの組み合わせで、搭載した全10chのパワーアンプ(スピーカー端子)は、パワーアンプを効率的に活用してリスニング環境のさまざまなシチュエーションに対応できるパワーアンプアサイン機能を装備。 |
2008年02月22日作成