スピーカーの仕様の読み方1 スピーカー一般関係 | |
形式 | スピーカーユニット(実際に音を出す部分)の数とエンクロージャー(別名キャビネット、箱のことです)の方式を表します。 フルレンジはスピーカーユニット(実際に音を出す部分)ひとつで全ての音域を再生し、2ウェイはスピーカーユニットが低音用と高音用の二つに別れているものです。 3ウェイになると低音用と中音用と高音用の3つに分かれます。 また、同軸型と呼ばれるウーファーとトゥイーターが同じ場所(同軸)に組み込まれたユニットもあります。 エンクロージャーには、密閉型とバスレフ方があります。 密閉型は文字通り密閉された箱で、背面の音を遮ることが出来るので濁りがない音になりますが、空気の動きが抑えられるので詰まった感じの音にもなりやすい方式です。 バスレフ型はスピーカーユニット背面の低音を反転(バスレフレックス)・共鳴させ、低音を増強する箱で、空気が動きやすくスピード感のある音になりますが、背面の空気との干渉で音が濁ることもある方式です。 また、フロア型というのは、床に直に置けるスピーカー形状であることを示し、ブックシェルフ型はスタンドや棚などの上に置く形のスピーカーを示します。 |
フルレンジ | 一つのスピーカーユニットで全ての周波数を再生するスピーカーで、口径や振動板の材質が記載されます。 口径は言い値とも言え、一般的には実際に振動する部分は口径より小さくなります。 振動板の材質は良く分からない場合も多く、それほど気にする必要はないでしょう。 |
ウーファー ウーハー | 2つ以上のスピーカーユニットがあるスピーカーの中で、低音部分を担当するユニットのことで、口径や振動板の材質が記載されます。 ウーファーを二つ使用しているスピーカーもよく見かけますが、2つを並列にして同じ使い方をするケースや1つだけを低音専用にするケースなど、メーカーによって使い方が変わってきます。 口径は言い値とも言え、一般的には実際に振動する部分は口径より小さくなります。 振動板の材質は良く分からない場合も多く、それほど気にする必要はないでしょう。 |
ミッドレンジ | 3つのスピーカーユニットがあるスピーカーの中で、中音部分を担当するユニットのことで、口径や振動板の材質が記載されます。 作りによってコーン型やドーム型などがあり、コーン型はウーファーと同様の逆円錐状の形をした振動板(実際に音を発する振動する部分)、ドーム型は半球状に出っ張った形の振動板のことを示します。 振動板の材質は良く分からない場合も多いのですが、軽く無駄な共振がないことが大きなポイントになります。 |
トゥイーター ツイーター | 2つ以上のスピーカーユニットがあるスピーカーの中で、高音部分を担当するユニットのことで、口径や振動板の材質が記載されます。 ドーム型やリボン型やリーフ型など色々な形状があります。 リボン型やリーフ型は平面状のごく薄い振動板のことを示します。 振動板の材質は良く分からない場合も多いのですが、軽く無駄な共振がないことが大きなポイントになります。 |
(定格)インピーダンス | スピーカーの電気抵抗を示す値で、単位はΩ(オーム)です。 低いほど同じボリューム位置でのアンプの出力が大きくなりますが、アンプにも負担をかけます。 通常4Ωから8Ωで、4Ω未満だとアンプが不安定になる可能性がありますから、4Ω以上のスピーカーを選ぶべきでしょう。 スピーカーの抵抗値は入力周波数によって大きく変わりますが、ウーファーのfoと呼ばれる共振周波数よりすぐ上で最低の抵抗値を表示します。 |
最大入力 | スピーカーに加えることの出来る最大の入力のことを表し、単位はW(ワット)です。 これは瞬間的に加えることの出来る数値で、連続して加えると壊れてしまいます。(現実的には大きな音が長時間続くことは まずありえないので、問題はありません) アンプの出力が、この数値より低いことが望ましいと言われることもありますが、ほとんど関係ありません。 音声信号より歪の成分の方がスピーカーには悪影響を与える傾向があるので、アンプが歪まない範囲で使用することのほうが重要と言えるのです。 |
定格感度レベル 出力音圧レベル | 1Wを1m離れたスピーカーに加えたときに出てくる音の大きさを対数で表した数値で、dB/W/m又はdB/2.83V/m(両者は同じ数値となります)で表します。 通常は90dB/W/m程度で、数値が高いほど大きな音が出ることになります。 一般に数値が大きいスピーカーは明るく勢いのある音を出す場合が多く、数値が低い場合は大人しい綺麗な音を出す傾向があると言えますが、反対の場合も当然あります。 |
定格周波数範囲 再生周波数帯域 | スピーカーが再生することの出来る周波数(音の高さ)の範囲を示し、単位はHzで表します。 低音はスピーカーが大きいほど低い音まで再生される傾向があります。 高音はホームシアターの最高規格では90kHz程度欲しいところですが、人間の耳の限界が20kHzと言われていますが、若い人は40kHzの音まで聞こえることがあるようです。 そこで余裕を見て普通の人で30kHz程度、若い人で50kHz程度まで再生できることが目安といえそうです。 範囲が広いほうが優秀と言えますが、限界の周波数までなだらかに低下している場合と急に低下している場合では、聞こえ方が大きく変わってくるので、あくまで目安にしかならないとも言える数値なのです。 この数値は基準の音量より何dBか低下する(メーカーによって異なり、−10dBなど数値が示してあることもあります)まで再生できる範囲を示しているので、きちんとした音量で再生される周波数の範囲は 表示してある範囲より狭くなります。 |
クロスオーバー周波数 | 2つ以上スピーカーユニットがある場合、再生する範囲が切り替わる周波数が出来ます。 その周波数の高さを表すデータで、単位はHz(kHz)で、基本的には2ウェイで1箇所、3ウェイで2箇所あります。 実際はスッパリ切れる訳ではなく、なだらかにつながっていますが、その交点となる部分を示します。 低音を補強する為、低音域だけを二つのウーファーで駆動するタイプもあります。 声を綺麗に聞きたい場合は、ドの音が440Hzで3オクターブ上のド音が1.76kHz、この間は一つのユニットで再生するスピーカーを選ぶべきでしょう。 |
キャビネット容量 | キャビネットの有効容積をL(リットル)で表した数値です。 容積は低音再生の為の重要な要素となりますが、スピーカーユニットの大きさや作りとも深い関係があるので、むやみに大きければ良いという訳でもありません。 |
ターミナル | 確実に接続できるネジ式が主流です。 ワンタッチ式やプッシュ式はローコストスピーカーが多く採用しています。 共振を防ぐ為に、丈夫な真鍮削り出しなどを使用することもあります。 |
バイワイヤリング対応 | トゥイーターとウーファーを別々のスピーカーケーブルで接続する接続方法に対応していることを示します。 トゥイーターとウーファーの電気的干渉が少なくなり、ケーブルの断面積も倍(近く、高音と低音の音量のバランス次第なので最大で倍ということですね)になるので高音質となります。 アンプにAB二つの出力端子がある必要があります。 |
防磁設計 | スピーカーに必要な磁石の磁力がスピーカーの外に漏れないように設計されたスピーカーのことです。 ブラウン管テレビでは磁力の影響を受けやすいので色ズレなど問題になることが多いのですが、最近の薄型ディスプレイでは影響は少なくなっています。 ディスプレイから離せないセンタースピーカー以外は気にする必要はないでしょう。 |
外形寸法 | 幅と奥行と高さが表記されています。 奥行については、ケーブルが接続されることになるので、余裕を持った寸法が必要となります。 |
質量 | 本体の重さをkgで表します。 床置きの場合は問題はないのですが、棚に置く場合は棚の強度などには注意が必要です。 |
スピーカー仕様の読み方2 ・サブウーファー関係へ
2009年2月19日更新