新しいサラウンド方式とブルーレイディスク規格

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2007年に作成された新しいサラウンド方式には、4種類あります。
ドルビーTrueHD、ドルビーデジタルプラス、DTS-HD マスターオーディオ、DTS-HD ハイレゾリューション・オーディオです。
既にHD DVD規格は過去の規格といえますが、ここでは比較の為に資料を残しています。

ドルビーデジタルプラスとDTS-HD High Resolution Audioは、これまでのドルビーデジタルやDTSと同様に、音声を高い圧縮率で圧縮しています。
チャンネル数が7.1chまで拡張されていることと、データ転送レートと呼ばれる 時間当たりに送れるデータの量が増えていることが特徴で、現在ではBDやHD DVD専用の規格といえます。
DVDより多チャンネルで、高音質となるのが最大の長所といえます。

ドルビーTrueHDとDTS-HD Master Audioは、スタジオで作られるマスター音源を、そのままデータの損失なしに再現できる方式です。
こちらもチャンネル数が7.1ch(BDやHD DVD規格上のチャンネル数制限)まで利用可能で、BDやHD DVDのデータ容量の大きさを最大限に利用した方式と言えます。


各サラウンド方式の特徴を見ていきましょう。

ドルビーTrueHDは、次世代光ディスクメディアのために開発されたロスレス(可逆型)音声技術で、スタジオマスターの高品質な音声データをビット単位の精度まで完全に再現します。
96 kHz・24 bitで最大8チャンネル(HD DVDとブルーレイディスクの規格上8チャンネルに制限)、192kHz・24bitで最大6チャンネルの音声を記録可能です。
最大18 Mbpsのデータ転送レートで高音質を確保しています。
ドルビーデジタルまたはドルビーTrueHDで記録された異なるコンテンツ間の音量レベルを同一に維持する ダイアログノーマライゼーション機能があります。
深夜などの低いボリュームレベルでの視聴時、ダイナミックレンジコントロール(Nightモード)でオーディオトラックの微細なディテールを失うことなしにピーク音量を抑えることが可能です。
HD DVD規格での必須音声方式、ブルーレイディスク規格でのオプション音声方式として採用されています。


ドルビーデジタルプラスは、HDクオリティのデジタルTV放送や光ディスクメディア向けに開発された次世代音声技術で、HD映像エンタテインメントに求められる高音質なサラウンド音声を、限られたデータ帯域を使って提供可能な高い効率性と柔軟さを兼ね備えています。
ドルビーデジタルの拡張・改良版で、現行のドルビーデジタル対応機器とも完全な互換性を保っています。
最大7.1チャンネルの各チャンネルが完全に独立したマルチチャンネルサラウンドサウンドです。
最大6 Mbpsのデータ転送レート(HD DVD規格では最大3 Mbps、ブルーレイディスク規格では最大1.7 Mbps)です。
放送用途の低いデータ転送レート (5.1チャンネルオ音声で320 kbps以下)でも高音質を維持します。
インタラクティブミキシングおよびストリーミング機能をサポートしています。
D DVD規格での必須音声方式、ブルーレイディスク規格でのオプション音声方式として採用されています。


DTS-HD Master Audio(DTS−HD マスターオーディオ) は、プロフェッショナルスタジオで作られるマスター音源を、その品質のまま、データの損失なしに再現できる技術です。
伝送する音声は可変データ転送レートで、Blu-ray discs フォーマットで最高24.5Mbps、HD-DVD フォーマットで18.0 Mbpsです。
この高いデータ転送レートにより、96 KHz 24 ビットの7.1チャンネル音声がオリジナル音源のデータを欠損なく伝送することを可能にしています。
音楽や映画の音声の作り手であるアーティストの意図したとおりの音声が受け手に届くための方式であるといえます。

DTS-HD High Resolution Audio (DTS-HDハイレゾリューション・オーディオ) は、最大 7.1 チャンネルまでの音声を、ほぼオリジナルと区別できないハイクォリティで伝送することが可能なフォーマットです。
固定データ転送方式で、DVDに比べてかなり高い転送レートを確保しています。
Blu-ray disc フォーマットで最高6.0Mbps、HD-DVD フォーマットで最高 3.0 Mbps までのレートが選択されます。


このドルビーTrueHDやDTS-HD Master Audioなど高音質の音声を採用すると、大きなデータ転送レートが必要なことが分かります。
BD(ブルーレイディスク)のデータ転送レートは最大約54Mbps、HD DVDのデータ転送レートは最大約36Mbpsなので、高音質と高画質の両立を考えると、BDが圧倒的に有利と言えます。
BDは、HD DVDと同じ画質でも 18Mbps分を音声に振り分けることが出来るのです。

BDが勝ち残った原因として、この高音質サラウンド音声の採用が大きかったのかもしれません。
HD DVDではドルビーデジタルプラスかDTS-HDハイレゾリューション・オーディオの利用が、画質との兼ね合いを考えると困難なので、敬遠された印象なのです。

                                                     2009年2月20日更新

    

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